[ オピニオン ]
(2018/3/21 05:00)
きょうは春分の日。「暑さ寒さも彼岸まで」のことわざの通り、明日以降に春の本格化を期待したい。ただ、3月下旬の冬日がないわけではなく、厚手のコートをしまい込むには早そうだ。
春分の日は「秋分の日」とともに二十四節気の一つ。昼と夜の時間がほぼ等しくなり、この日を境に厳しい冬の寒さは和らぎ、しのぎやすくなるとされる。だが、単に季節を意味するだけではなく、我々の暮らしに深くかかわっている。
彼岸は仏教で「生死の海を渡って到達する悟りの世界」を指す。我々が生きている現世との距離が最も近づく時季でもある。先祖の供養がしやすいということで、春と秋のお彼岸の頃にお墓参りをするのが風習となった。
煩悩に惑わされがちな我々が、暑さや寒さが和らぐ時季に悟りの世界に近づくことで、厳冬や猛暑といった天候だけでなく、さまざまな辛さから解き放たれるのかもしれない。
高知を皮切りに全国各地から桜の開花宣言が届いている。寒さが和らぐだけでも気持ちが軽やかになる。加えて桜前線の到来は春の訪れを強く感じさせ、気分を一層前向きにしてくれる。世の中、明るいニュースばかりではないが、気持ちも新たに新年度に向かいたいものだ。
(2018/3/21 05:00)