[ オピニオン ]
(2018/6/21 05:00)
最近、『オルタナティブ』という言葉を耳にする。通常「既存とは異なる代理」を意味し、従来「アンチ」や「少数派」といった意味で使われてきた。
しかし、現在では敵対・対立でなく、相互に影響を及ぼしながら修正や進化を促す「推進力」ととらえられてきた。
アイスランドの教育者であるマルグレート・オルフスドッティルさんの講演を聞く機会があった。男女が「互いに人間として尊敬する」という教育理念の下、ジェンダー交換教育法を採用。幼児期に、環境や成長過程の中で失われてしまう能力、習得の難しい能力があり、その原因は性別にあるという前提で、女児には積極性や論理的思考法、男児には愛情を育む教育方法を導入。
その結果、国民からの支持を得て、当初1校だった学校が、現在では14校の幼稚園と4校の小学校を11の自治体で展開。マルグレートさんは「子供達に現実を与え、痛みがあっても必ず乗り越えられることを教える」という。
学校は「知の受け渡し」という目的で組織するという教育が中心だった。一方、ジェンダー交換教育法は「オルタナティブ教育」と位置づけられる。「相手を尊敬する」ことが社会を前向きにする道しるべになるかもしれない。
(2018/6/21 05:00)