[ オピニオン ]
(2018/8/10 05:00)
デジタル社会が世界で急速に進んでいる。その一例が北欧のデンマークだ。九州ほどの面積に、兵庫県とほぼ同じ約578万人が暮らす。「手厚い社会福祉」のイメージが強いこの国が、さまざまな分野で「デジタル化」を実現している。
例えば、転出入の届け出も自宅に居ながら数分で済む。行政と市民はオンライン上の電子私書箱を通じてやりとりする。
金融のデジタル化も進み、キャッシュレス決済が全国的に広まっている。「モバイル・ペイ」と呼ばれるモバイル決済が台頭し、「2016年には、小売店の売上高のうち、現金での支払いは約20%まで減少している」(森田麻記子富士通総研経済研究所上級研究員)という。
この国も、高齢社会到来による課題に直面する。日本ほど急ピッチではないにしても、長期にわたり上昇する高齢化率に伴い、労働力が縮小する懸念がある。就業率は男女でほぼ変わらず、今以上に労働力として移民を受け入れる政策は、政治状況から難しい。こうした中、生産性と効率性を維持しながら、手厚い福祉サービスを持続的に供給するため、政府は「テクノロジー導入」を進める。
日本も、世界で例を見ない高齢社会の進展に真剣に目を向けないといけない。
(2018/8/10 05:00)