[ オピニオン ]
(2018/9/7 05:00)
防災週間が明けた直後の6日未明、北海道が震度7の強い地震に襲われた。天変地異への備えに気を抜くな―という“天の声”が聞こえた気がした。
6月に大阪市北部で発生した最大震度6弱の地震以降、相次ぐ豪雨や台風、地震に列島各地がさらされ続けた夏だった。失われた貴い命に改めてお悔やみを申し上げる。安否の分からぬ人のすみやかな救助と、被災者の生活再建を心から願う。
家屋の倒壊、山崩れや浸水を免れても、広範囲に発生する停電や断水などライフラインの途絶の打撃は深刻だ。西日本の被災地では、酷暑期に飲み水の供給が遅れて避難生活が困窮した。北海道の場合、厳寒期の地震でなかったのが不幸中の幸いだった。
産業界でも、交通機関や物流業界を中心に対応に追われ続けた。2011年の東日本大震災では、サプライチェーンの断絶に多くの企業が苦しんだ。その時の経験が生かせたかどうか、事後に検証してもらいたい。
ひと昔前と違うのは、外国人の反応が目立つこと。観光産業を支える訪日客が、関西国際空港や新千歳空港で足止めされて「日本は怖い」という印象を持ったのは残念だ。より安全で強靱(きょうじん)な産業社会の構築に向けて、決意を新たにしたい。
(2018/9/7 05:00)