[ 政治・経済 ]
(2018/12/1 05:00)
【ベルリン=時事】ドイツのメルケル首相やショルツ財務相らを乗せ、主要20カ国・地域(G20)首脳会議の開催地ブエノスアイレスに向かっていた政府専用機が29日、機材故障で緊急着陸した問題で、主な通信機器が使用不能になる中、急ブレーキを強いられるなど、危険な状況だったことが30日、判明した。
専用機はエアバス製A340-300型機。独誌シュピーゲルによると、29日午後7時(日本時間30日午前3時)にベルリンを離陸してから1時間後、衛星電話以外の通信機器が停止。機長は即座に独西部ケルン行きを決め、夜間で視界が悪い中、衛星電話のみで地上と交信した。
ケルンでは短い滑走路しか利用できず、燃料を投棄したものの、それでも機体が重かったことなどからハードブレーキとなり、消防も出動した。
メルケル氏は着陸後、「非常に深刻な故障があった」と話し、「最も経験のある機長だ」と乗員を称賛した。代替機に乗り換えブエノスアイレスに向かったが、到着はG20初日の現地時間30日夕方で、多くの外交日程を欠席せざるを得ないことになった。
問題の起きた専用機は10月にも故障を起こし、インドネシアでの国際会議に出席後、帰任のため搭乗予定だったショルツ財務相は、民間機で帰国した。この際は、ネズミにケーブルをかじられたとみられている。
(2018/12/1 05:00)