[ オピニオン ]
(2018/12/5 05:00)
先日、スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』という映画を観にいった。極めて難解な映画だ。ただ、後半にでてくる赤、青、黄、緑、オレンジなどさまざまな色の織りなす映像は素晴らしい。
カギになるのは、映画を通じ登場する縦長の石碑のような不思議な物体だ。冒頭は、類人猿が物体に触れると、道具を使うことを覚え、別の類人猿を攻撃する。次のシーンでは、人類が月面着陸し、そこに不思議な物体が表れる。人類が触れると木星へと人類を導く。
後半は、5人の宇宙飛行士と1台の人工知能(AI)を乗せた木星探査。狂ったAIが反乱し、4人の宇宙飛行士を亡き者にする。生き残った艦長が壮絶な死闘を繰り広げ、AIに勝利する。
宇宙空間にある巨大な物体に向かって、鮮烈な光のトンネルをくぐりながら、艦長はある部屋にたどりつく。そこには、食事をとる自分がいる。歳をとって寝たきりの状態になる。足元を見ると、不思議な物体が再び表れる。
“知的生命体”というべき物体が人類の進化を導いてきた、とも解釈できる。一方、AIの反乱は、人類への警鐘を鳴らす。実際に人類が月面に着陸する前年の1968年に、この映画が製作された。
(2018/12/5 05:00)