[ オピニオン ]
(2019/4/16 05:00)
一つの“環(わ)”が東北に誕生した。宮城、福島、山形の南東北3県の県庁所在地域が高速道路でつながった。福島県相馬市を起点に秋田県横手市までを結ぶ「東北中央自動車道」の整備が、山形県内で進むためだ。
2017年11月には「大笹生(おおざそう)インターチェンジ(IC)」(福島市)と山形県米沢市の「米沢北IC」間が無料区間として開通。今月13日には「南陽高畠IC」(山形県高畠町)と「山形上山IC」(同上山市)間が開通した。
これで東北中央道は東北自動車道、山形自動車道と接続し、山形・福島・仙台エリアに高規格幹線道路の環が完成した。相互補完のダブルネットワークが形成され、地域内の高速交通網の機能は高まる。
17年に開通した大笹生IC―米沢八幡原IC間の交通量は1日当たり約8900台(年平均値)。福島と山形県境の交通量は開通以前より約3割増えているという。「道の駅米沢」の来場者数は開業から約9カ月半で150万人を突破した。
観光とともに期待される今後の産業振興。IC直結の工業団地の造成も山形・福島両県で進む。東北中央道の全国への浸透は、これからが本番だ。この春は、ぜひ“新しい環”を体感してみてはいかがでしょうか。
(2019/4/16 05:00)