[ オピニオン ]
(2019/6/19 05:00)
夏休みが近づいてきた。春秋子はどこをどう旅行するか頭を悩ませている。旅は計画を立てている時が一番楽しいと言われるが、ついつい考えすぎてしまう。
例えば、地理的に近いアジアへ行くとした場合、夏は雨季の国や地域が多い。現地で雨に降られるだけならまだ良いが、台風でも来ようものなら飛行機が飛べなくなる。帰国できないリスクは怖い。
滞在型と周遊型、どちらの旅にするかもなかなか決まらない。家人からは「あなたは海辺のリゾートにいても飽きてしまうでしょう」と指摘される。確かに都市部で宿をとりたいとは思うものの、多少はのどかな場所で過ごしたい気もする。心が千々に乱れる。
個人の旅行ですら簡単に決められない小欄は、グローバルに事業を展開する企業の経営者の悩みはいかばかりかと考えてしまう。海外企業のM&A(合併・買収)などは不確定要素だらけだろう。資産査定を適切にできるのか、買収後の統合作業はうまくいくのか―。難問ばかりだ。
旅も仕事も下調べなしでは円滑さを欠くが、考えすぎても時機を逸する。あらゆるリスクを事前に洗い出すことなど無理だ。ハプニングはつきものだと割り切り、適時に対処できる柔軟性を身につけたい。
(2019/6/19 05:00)