新型コロナ/協同工芸社、肺機能検査用ボックス 医師の飛沫リスク減

(2020/6/12 05:00)

  • せき込みによる飛沫感染リスクを軽減する

協同工芸社(千葉市美浜区、箕輪晃社長、043・242・1675)は、新型コロナウイルスの医師への感染リスクを軽減するため、肺機能検査「スパイロメトリー」を行う際の飛沫(ひまつ)を抑える装置を開発した。稲波脊椎・関節病院(東京都品川区)の小口史彦整形外科医師が監修した。全国の医療機関向けに6月中にも発売する。サイズは2種類用意し、価格は24万円(消費税抜き)から。

スパイロメトリーは全身麻酔や人間ドックなどの際に実施する検査。息を強く吹く必要があり、せき込む患者もいる。このため、現在は医療機関によっては医師の感染リスクを軽減しようと、検査を見合わせる例もあるという。小口医師は「全身麻酔が必要な手術では人工呼吸器での呼吸が必要なため、肺機能検査の重要性は高い。一方、医師の感染リスクが課題だった」と説明する。

開発した「スパイロメトリーガード」はアクリル製のボックスで患者の四方を覆い、飛沫の浮遊を防ぐ装置。配置場所を考慮し、装置は小・中の二つのサイズを用意。小サイズは幅650ミリ×奥行き850ミリ×高さ1800ミリメートル、中サイズは幅が1・3倍程度大きい。装置の導入で感染リスクを軽減し“医療の停滞”に歯止めをかける。

協同工芸社は看板やデザイン表札などの製造を手がける。最近はアクリル板やステンレスなどの加工ノウハウを生かし、外科や歯科など医療機関と連携し、新型コロナの感染拡大を防ぐ装置の開発を進めている。(千葉)

(2020/6/12 05:00)

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