(2020/7/1 05:00)
ニチオン(千葉県船橋市、本田宏志社長、047・431・1871)は、唾液による新型コロナウイルス感染症のPCR検査で、液体性蛍光発色剤を使用した感染防止策について同県の医療機関と共同実験を始めた。感染リスクを見える化するのがポイントで、7月中旬をめどに安全・安心な検査を可能にするモデルの確立を目指す。
唾液を検体とするPCR検査は被験者の身体的な負荷が少ないほか、医療従事者への感染リスクも低減できるといわれる。ただ、検体の回収や容器のふたを閉める際、採取後に保存液と唾液を混ぜるために振る場合など、さまざまな場面でリスクが残る。
共同実験は液体性蛍光発色剤を疑似的な唾液として、唾液がどのように飛散して広がっていくかを見える化。検査の準備から防護服の着衣、全体消毒、清掃、休憩、終了までの全工程のリスクを洗い出す。これをもとに実際の作業時の感染リスクを減らす。
実験に使う液体性蛍光発色剤は米ブレイビズ(ユタ州)製で、ニチオンが日本で独占販売権を取得している。1997年に手洗い評価キットとして大学病院を中心に販売を開始し、感染を管理する看護師が手指の衛生を徹底する教育や、警察の捜査過程で指紋や足跡の検出技術向上用にも活用されている。
最近ではクルーズ船内での新型コロナの感染ルートを検証するために使用されており、今後も液体性蛍光発色剤を多目的な用途で活用を進める。感染者が世界的に増え続ける中、今回の手法を標準化してグローバルに普及させたい考えだ。(千葉)
(2020/7/1 05:00)
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