(2020/7/30 05:00)
新型コロナウイルス感染の再拡大が止まらない。テレワークの日常化でストレスがたまり酒量が増えた、よく眠れない、急に怒りっぽくなった、ふさぎ込んでいて仕事に手がつかない。そんな変化が見られたら黄色信号だ。
セルフケアには限界がある。MS&ADインターリスク総研リスクマネジメント第四部長の府川均さんは、対面でのコミュニケーションが少なくなる中で「部下への声かけや雑談などマネージャー層のケアが大事」と話す。
京都大学総長でゴリラ研究者の山極寿一さんは、単独で暮らす野生のゴリラを観察し、時折「もう孤独に耐えられない」という態度を見せる様子を、自著『スマホを捨てたい子どもたち』に書いている。
山極さんによれば、孤独に耐えられないのは人間も同じ。仕事の効率化で、自分の時間を手に入れても何をしたらいいかわからない。そもそも人間は「独りで時間を使うようにできていない」と説く。
テレワークはコロナ収束後もニューノーマルな働き方として定着しそうだ。コロナ禍で時計の針が早く進んだだけかもしれない。『健康経営』の真価が試される時代になった。感染防止の壁とともに、職場の連帯感を高めておきたい。
(2020/7/30 05:00)