(2020/8/21 05:00)
将棋の最年少タイトル保持者、18歳の藤井聡太棋聖が20日、福岡市中央区で指された王位戦七番勝負第4局で木村一基王位を破り4連勝で王位を奪取。二冠獲得を決めた。
タイトルの序列で竜王と並び最高峰の名人を15日に初めて獲得した渡辺明名人(棋王・王将との三冠)を下した棋聖戦に続き、実力者を撃破した。
2020年度中に藤井二冠は王将獲得の可能性もあり、三冠獲得が視野に入る。名人挑戦は最短で23年春だが羽生善治九段以来の全8大タイトル制覇(当時は7大)も夢ではない。
現在はプロ棋士にとっても研究に人工知能(AI)が欠かせないが実際の対局は人間同士。中盤までは盤面全体を把握した上で先を読み、持ち時間を使い切った終盤は各棋士が修羅場をくぐり抜けてきた底力が問われる。ゲームとはいえ将棋や囲碁の大局観は会社経営にも通じる。
囲碁が趣味という鋳物部品を手がける中小企業の会長は常にバランスを考えることと相手の気持ちをくみ取ることが経営に生きると説く。豊富な研究基盤に加え盤面を判断する天性の感覚、土壇場の力。1分将棋でも泰然自若と指す藤井二冠の姿はコロナ禍の緊急事態に“最善手”を探る中小にも参考になる。
(2020/8/21 05:00)