(2020/10/1 05:00)
「このままでは日本のビールがまずくなってしまうと心配なんです」―。そんな話を財務省の役人から聞いたのは、4年前の税制改正の説明会だった。当時、最も世間の耳目を集めていたのが酒税法の抜本改正。
段階的にビールを減税し、逆に発泡酒と第三のビールを増税して「発泡性酒類」に一本化する。苦労して開発してきた低税率の新ジャンル商品が、ようやくビール党に受け入れられた段階。酒造会社は強く抵抗した。
それに対して「本来のビールの開発に力を入れるのが消費者のためではないでしょうか」という役人の指摘は、一枚上手だったと言えよう。法改正は原案通りに成立。この1日から第1弾の増減税が実施となる。
量販店などのビール売り場を見る限り、いまだ主役は低税率酒。ただビールとの税率差が縮むことで、市場には微妙な変化が生じよう。“キレ”や“のどごし”を武器にリードしてきた発泡酒や第三のビールから“コク”や“味わい”への評価軸の転換があるかどうか。
ビール類の酒税が完全に一本化するのは6年後。メーカーは、それを意識した新商品開発を進めているはずだ。うまいビールとは何なのか。秋の夜長に考えてみたい。
(2020/10/1 05:00)
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