(2021/3/3 05:00)
世界を変革するイノベーション人材の育成サポート
UEAという肩書は日本ではあまり知られていませんが、教員でもない、職員でもないというユニークなポジションです。当大学が設置した9カ国12地域の現地オフィスのコーディネーターとともに、国際的な産学連携業務を手がけています。またSDGsの普及啓発のため、学校や企業などで講演や、大学主催のイベント企画など行っています。参加するイベントは年々、数が増えています。
当大学は実践的な工学教育にSDGsの観点を取り入れたプログラム開発にいち早く着手していました。2018年に国連からゴール9「産業と技術革新の基盤をつくろう」のハブ大学として選ばれ、SDGs達成に貢献できる人材育成を学内外に広めていく使命を負っています。17のゴールごとに世界中の大学から1校ずつ選ばれているもので、東アジアでは唯一の存在です。
20年度から小学校の新学習指導要領でSDGsは必須となっていますし、中学・高校でも随時施行されます。子どもたちを大学に招き、留学生との交流や研究施設の見学、高校生や大学生には「SDGsはなぜ必要なのか」「SDGs志向の研究とは何か」といった紹介を行っています。
一方で企業の方からは今でも「何をやっていいのかわからない」という声が多いです。そうした時は「持続可能な組織かどうかチェックする機能」と伝えています。コスト削減や新技術の開発などビジネスのイノベーション、働き方改革、ダイバーシティー採用などのポイントから今までを見直し、新たな価値を見いだすチャンスです。経営者の考え方が柔軟だと、やはり取り入れるのも早いです。
自分自身はもともと、放射線医学の研究者としての道を進んでいたのですが、挫折した面があります。理科の教員や宇宙教育への関心などさまざまな夢を追ってきましたが、悩みながらもいまの職業にいきつきました。
SDGsと出会い、17のゴールすべての達成には「工学教育+(プラス)SDGs教育」が必要だと実感しています。近年、STEAM(科学、技術、工学、リベラルアーツ、数学)教育が注目されていますが、人、社会、自然など多様な観点からイノベーションにかかわれ、今後の産業や社会で活躍できる人材の育成を目指していきます。
SDGsに向けて 私たちのACTION~Enter the E社長 植月友美氏~【地球環境特集より】
SDGsに向けて 私たちのACTION~ユナイテッドピープル社長 関根健次氏~【地球環境特集より】
【2/26付 本紙第二部「地球環境特集」】持続可能な未来へ
⇒ 「地球環境特集」は紙面PDFでご覧いただけます。(PCからご覧の方)
2020年10月、菅首相は就任後の所信表明演説で、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げました。経団連も6月より脱炭素社会に向けた活動「チャレンジ・ゼロ」をスタートさせており、企業のイノベーションを後押しし、投資を働きかけています。
本特集においては、2050年CO2排出ゼロの達成に向かう産業界の取り組みを中心に、SDGsとビジネスの関わり方を紹介します。⇒ スマートフォンでご覧の方はこちらから紙面PDFをご覧いただけます
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(2021/3/3 05:00)