(2021/4/9 05:00)
菅義偉さんは「すがよしひで」か「かんよしい」か、どういう読み方なのかについて国は関知しない。戸籍法を所管する法務省は、「読み仮名がなくても個人は特定できる」という理由から、戸籍事務に読み仮名を使ってこなかった。
昨年の国民1人に一律10万円を給付する特別定額給付金では、戸籍とひも付いた漢字名の住民基本台帳と、カタカナ表記の銀行口座との照合作業に手間取り、一部で給付遅れを招いた。
デジタル化時代や国際化に対応すべく、マイナンバーカードは、2024年に氏名をローマ字表記することになっている。「戸籍にも読み仮名が必要」との認識が政府内でも急速に高まった。上川陽子法相は、氏名の読み仮名を戸籍の記載事項とするため、戸籍法を改正する方針を示した。23年にも法案を提出するという。
これから戸籍に読み仮名を付ける作業を、どうやって進めるのか。現行の出生の届け書には「よみかた」を記入する欄があるが、あくまで参考として求めているだけだ。
健さんは「たけし」と名乗っているが、親は「けん」と名付けていた、などといった話もよく聞く。読み仮名を正式に戸籍に記載する時には、さまざまな混乱も起きそうだ。
(2021/4/9 05:00)