(2021/6/16 05:00)
製造業×DX
ミスミが仕掛ける労働生産性改革「meviy(メヴィー)」
モノづくり日本会議は5月13日、モノづくり力徹底強化検討会・第9回勉強会「DX時代のモノづくり&サービス(6)」をオンラインで開催した。日本の製造業における労働生産性向上は喫緊の課題だ。機械や設備の自動化に必要な部品を短期で受注生産するデジタルサービスで、調達のデジタル化を後押しするミスミが、労働生産性改革に向けた戦略を紹介した。
受注→無人のモノづくり始動
ミスミグループ本社 常務執行役員ID企業体社長 吉田光伸氏
当社は機械部品の製造販売を行っており、3000万点を超える商品ラインアップを持っている。
製造業の生産性向上を阻む構造的課題として、生産年齢人口の現状からくる人手不足と、働き方改革による圧倒的な「時間」不足の状況がある。調達領域が製造業の生産性向上にとってのボトルネックとなっていると考え、オンライン機械部品調達サービス「meviy」を開発した。
まず3D(3次元)CADのデータを、アップロードしていただく。このサービスには二つのイノベーションを埋め込んでおり、まず顧客側の革新。ここにはAI(人工知能)自動見積もりという革新がある。設計データから、AIが形状、加工の種類、必要な機械、加工時間などを数秒で判断して、納期と価格を回答する。
最短1日の出荷実現
もう一つ、生産側の革新は、デジタルモノづくりという仕組みだ。設計データから、工場で働く工作機械を動かすプログラムを自動生成し、工場に転送する。受注と同時にほとんど無人でモノづくりがスタートする。見積もりから加工までデジタルで全て自動化し、設計データのアップロードから、即時見積もり、最短1日での出荷を実現した。
このサービスのミッションは、モノづくりに創造と笑顔をもたらして、顧客の創造性を高めることだ。今後のビジネス展開は、サービスをさらに進化させること。顧客の要望に、まだまだ応えきれていない。ボイス・オブ・カスタマーを集めて、サービスプロダクトに反映する。
(2021/6/16 05:00)