(2021/7/15 05:00)
梅雨の合間の草むしりは、ドクダミに手を焼く。根を残すと盛夏には繁茂して手が付けられなくなる。生命力が強く、葉や茎は独特のにおいを放つ。解毒の生薬になるのもうなずける。
イタリア人、ドイツ人、日本人の気質を草むしりに例えた逸話がある。イタリア人は雑草が残っていても、早々に切り上げてスパゲティを食べに行ってしまう。ドイツ人は時間をかけて根こそぎ駆除するため、イタリア流と違い、後で雑草が一本も生えてこない。
両国のコロナ対応にも似たようなところがありそうだ。イタリアは医療崩壊の危機にひんした。一方、ドイツはデルタ株の感染拡大が懸念されつつも、ロックダウンと充実した医療体制で持ちこたえている。
そこへいくと日本人の逸話は涙ぐましい。きれいに雑草を抜き取るが、ドイツ人のように徹底できない。再び雑草が生えると勤勉に草むしりをする。感染拡大を繰り返す中で、マスク生活を励行する国民の姿が重なって見える。
ドクダミの花言葉は「野生」。きついにおいに似合わず、白くてかわいらしい総苞片(そうほうへん)が十字形に花を飾る。裏庭や空き地の暗がりに群生しアスファルトを持ち上げて茎を伸ばす。その雑草魂にあやかりたい。
(2021/7/15 05:00)
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