(2021/10/5 05:00)
4日、発足した岸田文雄新内閣は、安倍晋三・菅義偉両氏の政権と何が違うのか。人事を見ても分かりにくいと感じた向きが多いのではないか。
「権力者は、権力に対して真剣であるべきだ」―。元政府高官から、そんな話を聞かされたことがある。かつて首相秘書官をしていた時に、情の厚さが尊ばれる政界で、あえて政敵を追いやって権力基盤を固める意味を知ったという。
岸田首相の人事は均衡重視となった。当選3回の“若い閣僚”を複数任命する思い切りの半面、党内主流派に配慮して内閣の要である官房長官を自分の派閥以外から受け入れた。穏健かつバランスのよさが「聞く耳には自信がある」という岸田流か。
とはいえ過去の政権も、発足当初から強い指導力を評価されていたとは限らない。岸田内閣が“らしさ”を示すのはこれからだ。決断の難しい問題でも右往左往することなく、首相自らの言葉で国民を納得させてほしい。
月内に行われる衆院の解散・総選挙が政権の基盤を固める最初の関門となる。産業界の期待は常に、安定政権であることだ。1年強の短命に終わった菅政権の失敗を繰り返さぬよう、首相の発信力で権力をしっかり握ってもらいたい。
(2021/10/5 05:00)
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