産業春秋/ウクライナ危機とブラジル森林開発

(2022/3/16 05:00)

資源・農産物価格の上昇、株価下落―。ロシアによるウクライナ侵攻の影響が急速に広がる中、農業大国ブラジルでアマゾン保護区の先住民の生活を脅かしかねない事態が生じている。

ブラジルのボルソナロ大統領が、先住民地域での資源開発の解禁を提案。ウクライナ危機により、肥料の重要成分であるロシア産カリ(カリウム)の調達不安が高まっていることが理由という。

ブラジル経済省貿易統計(COMEXSTAT)によると、2021年の同国の対ロシア輸入額は約57億ドルで国別で6位。ただ輸入品目の上位3品目が「肥料関連」で、その輸入額は計35億3128万ドルに上り、同品目の輸入合計額ではロシアが最大の輸入相手国だ。

またブラジル全国肥料普及協会(ANDA)のデータでは、21年1―11月に同国市場へ投入された肥料は4254万トンで、その内85%を海外からの輸入に頼っている。同国にとって肥料の調達難は経済弱体化に直結する恐れがある。

ボルソナロ大統領の方針に、先住民団体などから非難の声が上がる。人権・環境保護と経済発展をどうバランスさせるのか。ウクライナの戦火は遠くブラジルにも混乱を引き起こす。早期の収拾を切に願う。

(2022/3/16 05:00)

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