(2022/3/30 05:00)
新型コロナ医療の最前線は危険と隣り合わせだ。第6波の沖縄県では医療従事者に感染が広がり、人手不足から一般診療まで制限する事態が起きた。
名古屋大学未来材料・システム研究所の内山知実教授らの研究チームは、空間遮断とウイルス不活化の機能を併せ持つ循環式エアカーテン生成装置の実用化にめどを付けた。1年以内の事業化を目標に4月からメーカーと製品開発に取りかかる。
気流の壁をつくる窓枠型の装置と、気流中のウイルスを不活化する装置で構成する。気流を発生させるノズルの出口には航空機の翼のような構造を採用し、エアカーテンに腕を通しても気流が破れない高強度の遮断力を可能にした。問診や採血を安全に行える。
不活化装置の開発は、高効率青色発光ダイオード(LED)の発明でノーベル物理学賞を受賞した同研究所の天野浩教授が協力。深紫外線LEDの光を気流に照射し、ウイルスを効率良く検出限界以下まで不活化できることを実験で確認した。
製品は卓上型に小型化し、受け付けや会議室、飲食店などでも利用できるようにする。医工連携はコロナ共生社会を手にするための一助となるか。先端科学とモノづくりの共演に心が躍る。
(2022/3/30 05:00)
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