(2022/4/12 05:00)
「中小企業だからできる支援がある」。認定NPO法人、難民支援協会(東京都千代田区)で就労支援にあたる可部州彦さんは、ウクライナからの避難者の受け入れで、中小企業の役割が大切と説く。
難民支援の経験から地場企業の従業員であることが地域社会に溶け込む第一歩になるという。日本では「どこで働いているか」からコミュニケーションが始まる。社長の顔が見える企業なら周囲は安心感を持って接してくれる。
受け入れ企業は姿勢が問われそうだ。避難者支援で社会の役に立ちたいという熱意は大事だが、就労後のミスマッチは防ぎたい。「戦力になるかどうかを見極め、ビジネスライクで採用を」と話す。
避難者は心と体を癒やす時間が欠かせない。受け入れ企業は戦火を潜り抜けてきた避難者の特殊事情にも配慮がいる。心のケアが必要なら行政の協力を得て専門機関につなぐ対応も心得ておきたい。
政府の受け入れ表明は素早かった。ここは1人でも多くの避難者が「日本に来て良かった」と思えるように官民が力を合わせる時だ。可部さんによると、定着率の高い企業には共通点がある。「避難者の困りごとに寄り添い、さん付けで名前を呼んでいる」。
(2022/4/12 05:00)
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