産業春秋／ロシア、ＧＷ明け「宣戦布告」か？

ロシアのプーチン大統領が９日、ウクライナとの戦闘を「戦争状態」だと宣言する可能性がある。プーチン大統領はこれまで「戦争」とも「侵攻」とも位置付けず、「特別軍事作戦」と表現してきた。

９日は第２次世界大戦で旧ソビエトがドイツに勝利した記念日で、プーチン大統領は当初、この日にウクライナ侵攻の「勝利宣言」をしようともくろんでいた。だがロシア軍は苦戦。宣戦布告して兵力を大幅増員する可能性がある。

これまで武器供与など直接的なウクライナ支援に慎重だった米欧が支援強化に動いたことも、プーチン大統領の態度を硬化させた。ウクライナとの戦闘は西側諸国との戦いでもあると位置付けている。

ウクライナは米欧からの本格的な軍事支援を受け、５月下旬―６月初旬に反撃に転じる構えをみせる。ウクライナ東・南部に戦線を集中させたロシア軍との間で、戦闘がさらに激化・長期化しかねない。

ウクライナの非軍事化と非ナチス化を訴えるプーチン大統領に対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシアによる侵攻は第２次世界大戦のナチス・ドイツによる侵略に匹敵する」と真相を語る。ナチスを停戦に追い込む記念日を早期に迎えたい。