産業春秋/「終戦の日」なぜ8月15日?

(2022/8/15 05:00)

「終戦の日」と「終戦記念日」はなぜ8月15日なのか。前者は1963年、後者は82年の閣議決定による。63年以前は終戦の日がいつなのか、国民には必ずしも周知されていなかったという。

63年の閣議決定により、終戦の日は8月15日に制定され、この日に政府主催の全国戦没者追悼式が行われるようになった。82年の閣議決定では8月15日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」と定めた。戦争を知らない世代に平和の尊さを伝えるのが目的だ。

終戦の日の定義は難しい。昭和天皇が終戦の詔書に署名したのは8月14日、玉音放送が流れたのが同15日、大本営が休戦命令を発出したのが同16日、そして日本政府による降伏文書への調印が9月2日。いずれも「終戦の日」になり得るように感じる。

韓国の光復節は日本と同じ8月15日だが、米国やフランスなど連合国の多くは9月2日が対日戦勝記念日。中国とロシアは9月3日で、中国は戦勝を祝った日などとされている。

終戦記念日が制定された82年は500円硬貨の製造が始まり、東北新幹線が開業、歌手の中森明菜さんがデビューした年。東西冷戦下でもあった。あれから40年。新たな冷戦が平和の意義を問いかける。

(2022/8/15 05:00)

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