(2022/9/22 05:00)
ロシアのプーチン政権が危機感を強めている。ウクライナ軍の東・南部での反転攻勢を受け、東部ハリコフ州ではロシア軍が撤退を余儀なくされた。親ロシア派が東・南部4州で23日からロシア編入に向けた住民投票を決めたのも、戦果を急ぐプーチン政権の焦燥感の現れと言える。中印もウクライナ情勢をめぐり対ロ関係で変化がみられる。ロシア編入による新たな局面を中印はどう受け止めるのか、両国の反応を注視したい。
欧米から武器供与を受けるウクライナ軍は、東部ハリコフ州をロシアから奪還したほか、東・南部で攻勢を続け、ロシアは戦況劣勢に危機感を強める。プーチン政権は東部ドンバス地域を構成するドネツク州とルガンスク州、南部のヘルソン州とザポリージャ州の4州で23―27日に実施される住民投票を受け、ロシアへの併合を宣言することが想定される。
プーチン大統領は、東部ドンバス全域の解放が侵攻の目的としていた。だが国連憲章を踏みにじり、武力を背景とした一方的な領土の変更を国際社会は断じて容認しない。ロシア領土へはウクライナも攻撃できないとの論理がまかり通ってはならない。米国は住民投票が実施されればロシアへの経済制裁を強化し、戦況悪化を抑止したい意向を示す。西側諸国は結束を強化し、新たな局面に臨みたい。
中印の対ロ関係にほころびもみられる。習近平国家主席とプーチン大統領は15日、ロシアのウクライナ侵攻後、初の首脳会談に臨んだ。プーチン大統領はウクライナ情勢に対する中国側の「懸念を理解している」「我々の立場を説明する」と語っており、中国が長期化する戦争による経済減速への懸念や早期の対応を求めたものとみられる。インドのモディ首相も16日のプーチン大統領との首脳会談で「今は戦争のときではない」「解決策を見つけなければならない」と停戦を求めた。
プーチン政権は4州の併合という新たな戦略に向かう。中印はロシアの動きをどう見ているのか、良い意味での局面変化となるかを注視したい。
(2022/9/22 05:00)
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