産業春秋/ゼロコロナより景気か 「全人代」焦点に

(2022/12/9 05:00)

岸田文雄首相は11月17日の習近平国家主席との首脳会談で、防疫措置の早期緩和を求めていた。だが中国が講じた今回のゼロコロナ政策の緩和措置は中国国内が対象で、水際対策は継続する。入国者の8日間の隔離は変更せず、中国人観光客の訪日も見通せない。

今回の緩和により、感染しても無症状・軽症者は自宅隔離が認められ、濃厚接触者の隔離期間も8日から5日に短縮。高リスク地域以外では、人の移動制限や工場・企業の操業を禁止することが許されなくなった。日本企業にも恩恵はある。

ただ一連の緩和措置により、高水準の新規感染者が大幅に増加するリスクがつきまとう。規制強化に揺り戻される事態も想定しておく必要があり、日系企業は慎重に対応したい。

中国政府は政権批判も噴出した異例の抗議デモを受け、混乱の沈静化と景気下支えの双方の狙いからゼロコロナ政策を修正したとみられる。中国の1―9月の実質成長率は3%と低水準にとどまり、経済減速が鮮明だ。

中国はゼロコロナ政策に終止符を打ち、景気浮揚へと軸足を移す可能性はあるのか。2023年3月の開催が見込まれる全国人民代表大会(全人代)での習国家主席の言動を注視したい。

(2022/12/9 05:00)

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