産業春秋/防衛増税決められず、対中外交に磨きを

(2022/12/19 05:00)

与党は防衛費増額に向けた増税について、実施時期などの判断を1年後に先送りした。中でも法人増税は、企業の投資と賃上げに水を差すとして、経済界はもとより閣僚からも反発が相次ぐなど異例の事態に発展した。

だが1年後に法人増税を許容できる経済環境にある保証はない。インフレ抑制へ米欧は金融引き締めを続け、景気後退さえ懸念される。ゼロコロナ政策を緩和した中国も新規感染者は高水準。世界経済のけん引役は不在だ。

米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)は政策金利の利上げ幅を0・5%とし、0・75%から縮小した。景気への配慮だが、米FRBは政策金利の最終到達点を4・6%から5・1%に上げた。利上げは長期に及ぶと覚悟したい。

2023年の世界経済は停滞が予想され、日本は内需主導の成長を目指す。賃上げを起点とした経済好循環を回す必要があり、法人増税のタイミングではないとの与党内の批判も一理ある。

防衛費の増額は東アジアの安全保障を確保するのが目的だ。ただ1年後も経済環境を理由に増税論が封印されないか。中国とは意思疎通を続け、不測の事態を回避する外交力にも磨きをかけたい。

(2022/12/19 05:00)

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