(2023/1/27 05:00)
りそな銀行出身の久保田清さんは、不動産担保に依存しない融資の重要性を訴え続けてきた。2007年にNPO法人日本動産鑑定を設立し、商品や設備などの「動産」を適正に評価する仕組みづくりや人材育成で全国を飛び回る。
根底にあるのは「金融機関が融資先の成長性を見極める力を養えば真の中小企業支援につながる」との信念だ。長年の地道な取り組みが結実し、日本の融資慣行は新たな局面を迎えようとしている。
金融庁では無形資産を含めた事業価値全体を対象とする新たな「事業成長担保権」の制度づくりが進む。事業から生み出されるキャッシュフローや将来性を評価する制度で、乱用を防ぐ仕組みも検討されている。金融機関に「目利き力」が求められて久しい。事業性や経営戦略を評価した融資に軸足を移し、資金需要を喚起できるか否かは自身の存立基盤にも関わる。一方で長年の融資慣行からの脱却や、意識改革が容易でないのも現実だ。
動産担保融資は2005年の動産譲渡登記制度の施行で道が開かれたものの、金融機関の新たな融資手法としての側面ばかりが注目された。検討中の新制度は中小企業の成長促進につながる。法案化の行方を注視したい。
(2023/1/27 05:00)
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