産業春秋／トルコ大地震、日本が恩返しする番

トルコ南部でマグニチュード７を超える地震が６日に２度発生し、甚大な被害が出ている。建物が倒壊し、がれきに閉じ込められた被災者も少なくない。日本政府は国際緊急救助隊を派遣、行方不明者の捜索と救助活動に当たる。

トルコは親日で知られる。きっかけは１８９０年のエルトゥールル号遭難事故とされる。オスマン帝国（現トルコの一部）の軍艦が和歌山県串本町の沖合で台風により座礁。５００人超の犠牲者が出た大惨事で、日本人による必死の救助をトルコは忘れなかった。

月日は流れて１９８５年。イラクのフセイン大統領（当時）が４８時間後にイラン上空の飛行機を全て撃ち落とすと警告した。イランから脱出しようとテヘラン空港には２００人超の日本人。トルコ政府はトルコ航空の救援機に日本人を搭乗させた。１８９０年の恩返しだという。

和歌山県串本町にはエルトゥールル号遭難事故の犠牲者のための慰霊碑が建てられている。トルコは東日本大震災でも日本への支援に尽力し、トルコとの良好な関係が続く。

そのトルコが大地震に見舞われている。行方不明者の救助はもとより日本は復興にも協力したい。今度は日本がトルコに恩返しする番である。