(2023/2/7 05:00)
♪春は名のみの、風の寒さや。唱歌『早春賦』は、立春が過ぎてなお寒さの厳しい今の時期を歌う。「賦」とは税金の賦課や分割して月賦にする意だが、転じて美辞をちりばめて作詞することをいう。
古来、季節の変わり目は詩人の感興を呼び起こしてきた。古今和歌集の「春来ぬと人は言へども鶯(うぐいす)の鳴かぬ限りはあらじとぞ思ふ」(壬生忠岑)には、早春賦を思わせるおかしみがある。
古代は桜より梅が春を告げる花で、何より香りが愛された。「梅の花にほふ春べはくらぶ山、闇に越ゆれどしるくぞありける」(紀貫之)。漢詩『梅花』で王安石が「遥かに知る、是れ雪ならざるを/暗香の来たれる有るが為に」―枝についた白いものが雪ではないことは、香りで分かるよ―と詠じたのに通じる。
足元の景気は一進一退。聞こえてくるのはウグイスの声どころか値上げのお知らせばかり。消費マインドには残雪が重くのしかかり、なかなか冬を抜け出せない。
だが、季節は必ず巡る。立春の次は二十四節気の雨水。雪が雨に変わる予兆であり、早春賦が♪氷解け去り、葦(あし)は角ぐむ-と歌う時も遠くあるまい。日本三名園の一つである水戸の偕楽園の梅祭りは11日に幕を開ける。
(2023/2/7 05:00)
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