産業春秋/ひな人形の骨格を組み立てた

(2023/2/21 05:00)

7段飾りのひな人形の骨格を組み立てた。手先が器用という理由で、この作業は夫である私の分担になっている。今年で23年目の作業。年を追って上手に組み立てられるようになったが、油断は禁物だ。

少し鋭利で、細くて長い金属板を20個弱のボルトで組み付けながら階段状に仕上げていく。作業の途中は骨格がグラついた状態のため、バランスを崩すと鋭利な金属板がこちらに向かってくる。補助員なしでの作業は骨が折れる。手の甲には小さな傷も。

ひな人形は妻の初節句に祖母から贈られた“お宝”。それから半世紀。ひな人形にも技術革新の波が押し寄せ、簡単設計の骨組みに進化しているはずと、妻と義母が都内の人形店を訪ねたことがある。期待は外れ、骨組みのみを購入する計画は白紙に。

ひな人形市場は1970―80年代と比べて半減しているという。少子化、価値観の多様化、経済的な理由、飾る場所や収納スペースの問題が背景にあるようだ。

ワンタッチ傘のように、ボタン一つで骨組みが一瞬にして出来上がるような新技術は生まれないだろうか。市場が縮小する中では、そこまでの目配りは難しいのか。さて3月3日が過ぎれば、今度は解体作業である。

(2023/2/21 05:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

↓もっと見る

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン