(2023/5/4 05:00)
大学生の息子と私、自宅で二人だけになったある日の昼。「昼(ごはん)どうする?」「大丈夫、ウーバー(イーツ)に頼んだから」。オンライン利用の食品配達はすっかり普及したものの、“昭和のおじさん”にはスマートフォンで一人分を注文する発想になかなか至らない。
ウーバーイーツの配達員のように、組織に属さないフリーランスは全国で500万人程度を数えるとされる。オンラインによる注文・配達サービスはコロナ禍を受けた“巣ごもり”需要が市場を拡大させた。
いわゆるフリーランス新法が4月28日に成立した。フリーランスに対する一方的な報酬減額や支払いの遅延、発注の突然の取り消しなど、発注者に起因する不公正な取引が問題視されていた。改善の方向に向かってほしい。
新法は発注者に対し、契約時に報酬や業務内容を書面やメールで示すよう義務付けた。フリーランスが受託業務を終えてから60日以内に報酬を支払うことも新法に盛り込まれた。
大型連休(GW)も後半戦に入り、オンラインでの食品配達を利用した人も多いのでは。この市場の健全な発展に向け、新法が有効に機能すると期待したい。新法は来秋までに施行される予定だ。
(2023/5/4 05:00)