産業春秋/百貨店との「距離」は縮まるか?

(2023/8/3 05:00)

百貨店の売上高が、コロナ禍前にほぼ回復した。日本百貨店協会によると、6月の既存店ベースの売上高は前年同月比で7・0%増の4412億円。コロナ禍前の2019年6月比でも5・1%減と減少幅が縮小してきた。

インバウンド(訪日外国人)が戻ってきた影響が大きい。顧客別ではインバウンドへの売上高が同4・2倍の280億円と急増。インバウンドを除く国内市場の売上高は同1・8%増だった。

新型コロナの感染法上の分類が5月から5類に移行し、行動制限が緩和されたことが奏功した。6月の訪日外国人客は、コロナ禍前の19年6月の72%まで回復した。円安による割安感も追い風になった。

一方、百貨店の国内市場をめぐる環境は依然厳しい。最盛期の90年に12兆円規模だった市場は、22年に5兆円弱まで縮小。顧客はコスパ(費用対効果)を優先し、ショッピングセンターや通信販売へと流れた。

百貨店も通販などに続き、インターネット上の3次元仮想空間「メタバース」を活用した購買体験などの可能性が指摘される。阪急阪神百貨店はデパ地下スイーツの移動販売を始めた。百貨店と顧客との物理的・心理的な距離を縮めることから試みたい。

(2023/8/3 05:00)

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