(2023/9/15 05:00)
残暑が続く中、秋を感じたいと、スーパーマーケットの鮮魚売り場でサンマを探した。予想通り、細くて小さい。サンマはここ数年不漁の上、小型化してしまった。
サンマの水揚げ量は2008年に34万トンを超えたが、18年の10トン台を最後に数万トン台、22年は1万7910トンまで急減した。全国さんま棒受網漁業協同組合の調べだ。それにしても、なぜ不漁になったのか。
魚食普及推進センターのホームページのコラムを読むと、温暖化で潮の流れが変わったか、海水温の上昇でサンマが北や東の海に移動したらしい。プランクトンは陸の近くよりも沖合いの方が濃度が低く、サンマの成長に影響しているとか。中国の大型漁船が公海で漁獲量を増やしたことも不漁の理由だ。
12月に映画『秋刀魚の味』(1962年公開)の小津安二郎監督の生誕120年を迎える。妻に先立たれた初老の父が結婚しない娘に気をもむ。縁談がまとまるも、嫁いだ夜の自宅の静寂。父は笠智衆、娘は岩下志麻の両氏が演じた。
娘を送りだせた喜びと寂寥(せきりょう)。うまみと苦みが同居するサンマの味のようだ。さて、最近の小ぶりなサンマ。気になる値段をチェックしつつ、週末に味を確認しようと思う。
(2023/9/15 05:00)
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