(2023/10/4 12:00)
鏡面仕上げ、内面研磨、ブラスト加工などを手がける磨屋(山形県尾花沢市、丹波隆男社長)。自動車関連部品、機械部品、半導体関連など幅広い分野からの“磨き”ニーズに対応する。素材も金属をはじめ、非鉄系、樹脂系など守備範囲は広い。製品の高付加価値化に、磨きの技術は欠かせない。今後の展望などを丹波社長に聞いた。
―足元の景況は。
「自動車関連部品は堅調に推移している。一時期に比べ各種の調達がスムーズに動き出した様子。一方、半導体関連の設備部品などは、九州エリアから仕事が舞い込んだりしている。一部の顧客からは特殊素材の仕事も受けており、未来に向けた新規のサンプル品の引き合いもある。動き自体は悪くない」
―幅広い分野の製品に携わっています。
「ある分野に特化せず、バランス良く受注できるように努力している。高級レコードプレーヤーの筐体(きょうたい)、潜水マスクのフレームなどさまざまな分野から声をかけていただいている。単純に磨くだけではなかなかやっていけない。複合的な研磨などで機能やデザイン性も提案が可能。部品のカラー化への対応など、独自のネットワークを駆使して、顧客の求めるデザインに仕上げている」
―現時点で磨きの業界をどう見ていますか。
「今のところ既存の磨きの仕事がなくなることはない。ただ新たなことに挑戦する姿勢はこれからも必要だ。一つの試みとして、コロナ禍に自社のオンラインショップも開設した。アルミニウム素材の酒器などテーブルを彩る製品を発信している。これまで接点のなかった異業種とつながる狙いが大きい。アミューズメント向け景品への磨きなど、挑戦は続く」
―今後の展望は。
「依頼を受けた仕事は、少量から量産まで断らないようにしてきた。今後も会社を継続していくための体制整備に力を入れる。日本のモノづくりの一端となる磨きの拠点をこれからもここ(尾花沢)で継続していかねばならない。そのためにも人材を大事にしていくことが大切だ。人材確保には、賃金体系も含めできる限りの努力をしている。持続するモノづくりに向けて、各方面と連携を強めていきたい」
(2023/10/4 12:00)
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