【早読み特選】ノーベル化学賞、「量子ドット」発明の米3氏

(2023/10/4 20:20)

  • 右からムンジ・バウェンディ氏、ルイス・ブルース氏、アレクセイ・エキモフ氏

スウェーデン王立科学アカデミーは4日、2023年のノーベル化学賞を「量子ドット」を発明した米3氏に贈ると発表した。量子ドットは半導体などの物質を極めて小さくし、量子効果が現れたもの。LEDやレーザー、量子コンピューターの材料のとして用いられる。授賞式は12月10日にストックホルムで行われ賞金として1100万スウェーデンクローナ(約1億5000万円)が贈られる。

受賞テーマは「量子ドットの合成」として米マサチューセッツ工科大学のムンジ・バウェンディ教授(62)とコロンビア大学のルイス・ブルース教授(80)、米ナノクリスタルテクノロジーのアレクセイ・エキモフチーフサイエンティスト(78)の3氏を受賞した。

エキモフ氏はガラス中に発色するナノ粒子(ナノは10億分の1)を作製した。粒子のサイズが発色を決めていることを突き止めた。これが量子ドットの発見になった。

ブルース氏は量子ドットをコロイド溶液中で作製した。大きさを制御しやすく、量子効果の検証が進んだ。バウェンディ氏が高品質な量子ドット製造法を確立し、機能性材料として開発が加速した。

量子ドットは量子技術の基盤技術になっている。光電機能を応用したレーザーや太陽電池。量子もつれを利用した量子コンピュターや量子通信。量子ドットをマーカーとして応用した医療技術にも展開されている。

(2023/10/4 20:20)

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