マトヤ技研工業、食肉向けノウハウ蓄積 省力化・自動化を実現

(2023/10/16 12:00)

  • 顧客の課題を踏まえた独自設計によるオーダーメードを基本とする(組立工場)

マトヤ技研工業(鹿児島県曽於市、益留福一社長)は、省力化や自動化を実現する機器を開発する。システムインテグレーター(SIer)でもあり、加工品の収納ロボットシステムなどの開発実績がある。

手がける分野は食肉加工をはじめ、電子部品、自動車部品の各関連機械など幅広い。「あえて異業種に取り組んできた」(益留社長)ことで、業界によって異なる景気変動を乗り越えられる経営の安定性を持つ。

顧客の課題を踏まえた独自設計によるオーダーメードが基本。引き合いがあった時から設計担当者が営業担当者に同行し、要望を聞いて図面を作成していく。打ち合わせを繰り返す中で経験に基づいた提案も盛り込み、「図面はどんどん変わる」(同)。

大型のシステムやラインの製作では特に全国にある協力企業のネットワークが生きる。さまざまな会社との連携をまとめるマネジメント能力を発揮する。

畜産が盛んな地域に工場を構え、ユーザーの協力を得ながらノウハウを蓄積してきたのが食肉向けシステムの開発だ。水がかかるなど機械にとって過酷な環境で使われることもあるためテストも厳しく行う。

現在はロボットを生かす開発も進む。ロボット選定では防水性やスピードなどの機能を吟味して機種を選ぶ。画像処理の活用や機械の遠隔管理による保守作業の効率化にも取り組む。

電子部品分野では半導体関連が多い。工場で使われるメッキ装置に加工対象物を供給したり、装置から取り出したりするシステムなどで実績がある。

自動車関連では冷間鍛造周辺機器など多彩な装置を手がける。加工で使ったクーラント液を扱うシステムでは、加工内容などにより企業で異なる搬送対象に適した機械を作る。

改善活動は製品分野を問わず続ける。工場、営業の担当者の日報や毎月の改善提案から取り組みのテーマを見いだす。価値分析(VA)や価値工学(VE)に基づく改善にも力を入れる。

(2023/10/16 12:00)

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