(2023/10/23 12:00)
山田マシンツール(東京都台東区、山田雅英社長)は、工業製品に名前や番号を刻印するマーキング作業の自動化支援業務に乗り出した。マーキングの自動化に加えて、加工対象物(ワーク)の搬送・搬出など前後工程の自動化までをサポートする。製造業の人手不足に伴う自動化需要を取り込む狙いだ。
同社はネームプレートや定格銘板などに使う工業用マーキング機メーカー。マーキング機内部の搬送などの自動化ノウハウを持つ。そのノウハウをワークのセットなどの前工程や、ワーク払い出しといった後工程の自動化にも応用した。
2023年からシステムインテグレーター(SIer)とともに、既存顧客・近隣顧客への訪問やメールマガジン配信を通じて自動化支援の提案を始めた。主に建設機械や農機具、自動車などの業界で用いるマーキングの前後工程の自動化需要を取り込む。そのため電気制御と機械設計の技術者を1人ずつ採用した。
例えば、従来は工場で作業者がワークをセットしてマーキング機の起動ボタンを押し、終了後に1個ずつ取り出していた作業の前後工程を自動化する。複数のワークをまとめてセットして、マーキング後のワークの払い出しまで一貫して自動化することで、作業の効率化や省人化につながる。
最近では、正確に刻印されているかをカメラで確認するマーキング後の検査工程が、他業種の加工ラインで採用された。食品工場で種類の異なる複数の菓子を箱詰めする際の検査で、マーキング時の検査作業を応用した技術が使われている。従来は1ラインにつき作業者1人が付いて不良品の有無をチェックしていたが、この人数を減らせた。山田社長は「顧客に喜んでいただいている」と手応えを感じている。
同社の売上高はかつて自動車部品向けが全体の9割を占めていた。現在は自動車部品以外の仕事を拡大。非自動車分野向けは5割程度になっている。「ニッチなところを事業にしており、今後はもっと領域を広げていきたい」と山田社長は語る。刻印にとどまらず、あらゆる自動化のニーズをくみ取っていく。
(2023/10/23 12:00)
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