(2023/11/1 17:00)
トヨタ自動車は1日、2024年3月期連結業績予想(国際会計基準)の売上高と全ての利益段階を上方修正すると発表した。為替変動の影響に加え、収益改善努力を織り込んだ。売上高は5月公表比で5兆円増(前期比15・7%増)の43兆円に、営業利益を同1兆5000億円増(同65・1%増)の4兆5000億円に引き上げ、過去最高を更新する見込み。トヨタ・レクサスの生産台数は期初の1010万台を維持する。
為替変動の影響で1兆1800億円、製品構成の改善や海外を中心とした価格改定で3700億円の増益を見込む。また資材高騰の影響が緩和し、原価改善努力で1000億円押し上げる見込み。宮崎洋一副社長は「生産・物流・販売の現場で改善効果が発揮できている。今後も維持したい」とする一方、「中国の市場構造の変化などを見ると楽観はできない」とリスクを懸念した。
想定為替レートは8月時点より米ドルを16円安の1ドル=141円、ユーロを17円安の1ユーロ=152円に変更した。
23年4―9月期連結決算の売上高は21兆9816億円(前年同期比24・1%増)と過去最高を更新。営業利益は2兆5592億円(同2・2倍)。電気自動車(EV)の販売台数は5万9000台だった。24年3月期の期初計画では20万台の販売を目指している。
販売台数増加や為替影響に加え、原価改善活動が奏功した。山本正裕経理本部長は「人工知能(AI)による不良検出や仮想現実(VR)による匠技能の可視化の効果が出ている」と一例を挙げた。仕入れ先との連携については「1次、2次サプライヤー以降の深いところまで浸透させることが課題」(宮崎副社長)とした。
(2023/11/1 17:00)
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