能力開発通じて職業的自立を支援 イビデンオアシス

(2023/11/8 12:00)

イビデンオアシス(岐阜県大垣市、箕浦隆行社長)は、ICパッケージ基板やセラミックス製品が主力のイビデンの特例子会社だ。グループ初の知的障がい者雇用のため2018年10月に設立。能力開発を通じ職業的自立を支援する。合言葉は「仕事は厳しく 職場は明るく」。現在は37人がイビデンの大垣中央事業場(同)と青柳事業場(同)の清掃、グループ会社を含む設備関連の紙文書の電子化、事務支援、オリジナルグッズ製作などに従事する。

  • 毎朝スマートフォンで体調を申告、個々の計画・進捗は大型モニターでも表示

特性は一人ひとり違い、気分や体調も日々変わる。独自の自立支援プログラムは「1年間試行錯誤した」(小野昌宏企画管理部中央オフィス課長)。まず本人を理解。次に不安定になる要因を解決。そして「背伸びさせずスモールステップで着実に」(箕浦社長)成長を促す。スキル獲得も、日常生活、給与や金銭の管理、仕事での自立と段階を踏む。

支援体制は、健常の従業員28人中、職業生活指導員11人、職場適応援助者(ジョブコーチ)5人、産業カウンセラーと手話通訳者各1人と手厚い。毎週の会議で個々の様子を共有する。

ITも活用する。対話が苦手な人もいるためスマートフォンを全員に配布。毎朝の体調などを自己申告してもらい、気温・気圧などの諸データとともにグラフ化し不調を予測する。相談もチャットで対応。個々の作業予定や進捗(しんちょく)は職場の大型モニターで表示する。

改善活動でも当人目線を心がける。トイレ清掃では使い分けで混乱する清掃タオルを、拭く場所別に3色に分け、洗剤は吹きかける回数を決めた。サービス品質も追求し、毎月の点検結果は各部門長や総務部に報告する。「胸を張り一般の清掃会社と同等以上の品質を提供する」(同)考えだ。

  • イラストなどの特技も事業に生かす

個々の特技も生かす。手編みストラップはグループ内で約1500本を販売した。絵付きのカレンダーやクリアファイル、年賀状も商品化。請負で野菜や洋菓子も生産する。

“受注実績”も上がっている。設備工事子会社では紙の設計図などを既に約8割電子化した。「社外からも受注したい」と箕浦社長。「毎年5人は採用し、個々の特性に合わせ仕事の幅も広げたい」(同)と展望する。

(2023/11/8 12:00)

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