(2023/12/14 12:00)
ふくおかフィナンシャルグループ(FG)傘下の、みんなの銀行が顧客数や残高を伸ばしている。「国内初のデジタルバンク」を掲げるスマートフォン専用の銀行で、集客をはじめコミュニケーションもオンラインが中心。ミレニアル世代、Z世代に向けた戦略が奏功している。
みんなの銀行は2021年5月に営業を始めた。リアル店舗を置かず、スマホのアプリケーションでのみ稼働する。23年9月末時点でアプリダウンロード数が238万件、口座数は82万件に上る。
口座開設から利用を含めて窓口での手続きなどの煩雑さを徹底して排除する一方、会員制交流サイト(SNS)での口コミやコミュニケーションをユーザー拡大や利用促進に活用する。生まれながらにデジタルに親しむ“デジタルネーティブ”世代に向けたオンライン中心の接点作りに注力する。
顧客の獲得には主にインターネット広告を使う。ユーザーが知人を紹介すると1000円をプレゼントするプログラムなど、ネットらしい手法も採用。また動画サイトで操作方法や活用法を紹介するほか、ユーザーを“アンバサダー”に任命するなどSNS活用に積極的だ。
22年3月末で58億円だった預金残高は、23年3月末に227億円に増加。23年9月末で260億円となった。「黒字に持っていくにはもう少しかかる」(五島久ふくおかFG社長)とするが、個人ユーザーの増加に加えて、異業種企業とのシステム連携を通じたBaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)事業でも業容を広げる。
九州地盤のふくおかFGは、みんなの銀行を通じて地域の枠を飛び越えた。預金者の属性では関東が34%で最大。関西18%、甲信越・東海15%、九州14%と続く。地域の境界のないデジタル銀行らしく、人口動態に応じた構成になっている。
永吉健一頭取は「(ふくおかFGの既存行は)ポートフォリオが40代以上7割、30代までが3割。みんなの銀行は真逆。未来のお客さま、今からメーンになるお客さまにファンになって使ってもらう」と期待する。
(2023/12/14 12:00)
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