健康増進へ個人・部署間で歩数競う 古野電気、組織活性化にも寄与

(2023/12/26 12:00)

船舶用電子機器を手がける古野電気は「社員が安心して働ける環境づくり」を掲げる。経済産業省の認定制度である健康経営優良法人「ホワイト500」には、2019年から5年連続で認定された。23年度は健康経営に2330万円を投資し、社員が前向きに健康維持に取り組めるよう幅広い取り組みを実施している。

  • 独自制作した動画「1分間リフレッシュ体操」の1コマ

同社は18年に健康宣言を出し、健康経営を本格始動した。当時は一部事業所での喫煙率が全国平均を上回っている、20―40代社員の肥満率が上昇しているといった課題に対処する必要があった。

現在は健康づくり責任者の下、健康保険組合と共同で運営する健康経営推進協議会やデータヘルス協議会を軸とした体制で、保険者データを分析し活用するデータヘルスを積極的に導入する。疾病の早期発見・予防や生活習慣の改善支援、働きやすい環境の整備を重点施策に位置付ける。戦略マップを作成し、食事支援やメンタルヘルス対策などの17の取り組みを実施する。

目を引くのは運動支援として打ち出すウオーキングイベント。参加社員は歩数管理アプリケーションをスマートフォンに入れて、2カ月間の歩数の多さを競う。個人や部署ごとに歩数を集計し、上位の社員や部署には各賞が与えられる。部署間の競争を設けたところ、部署を超えたコミュニケーションが増えた。運動促進だけでなく、組織活性化の効果もあった。23年度は440人以上が参加した。

ほかにもユニークな取り組みがある。仕事の合間など好きな時に簡単に体を動かすことを促す動画「1分間リフレッシュ体操」を人事総務部が制作した。目元や肩などの疲れやすい身体の部位を中心に計12本の動画をそろえた。23年からは女性社員向けに骨粗しょう症予防として骨密度測定会も始めた。予想以上に男性社員の参加が多かったという。

今後も社員が楽しんで健康づくりに取り組めるよう、社員の要望を健康経営に反映させることで働きやすい環境を追求する。

(2023/12/26 12:00)

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