(2023/12/26 17:00)
日本工作機械工業会(日工会)が26日発表した11月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比13・6%減の1158億9900万円と11カ月連続で減少した。前月比は3・4%増と2カ月ぶりに増加した。稲葉善治日工会会長(ファナック会長)は「下押し要因が多く見られる状況にあってやや弱含みつつも大崩れすることなく、1100億円以上の水準を保ち健闘している」との見方を示した。
地域別の受注額は中国が前年同月比25・3%減の220億3800万円と11カ月連続で減少。中小企業のユーザーが多い金属製品向けが27カ月ぶりに1億円を下回るなど、「景気低迷の影響が感じられた」(稲葉会長)が、自動車など主要業種は底堅く6カ月ぶりに200億円を超えた。
外需の業種別では航空・造船・輸送用機械向けが同51・4%増と7カ月ぶりに80億円を上回った。北米は米国とカナダで大型受注があり同51・4%増、欧州は同50・7%増、アジアは50カ月ぶりに15億円を超えた。
同日発表した2024年1―3月期の工作機械受注予測DI(「増加」と答えた企業の割合から「減少」と答えた企業の割合を引いた値)は、23年10―12月期から5・5ポイント減のマイナス19・2だった。稲葉会長は「内需では半導体製造装置と自動車の本格的な回復が遅れ、中国の低迷長期化への懸念、欧米の先行きにさまざまな見方があることから会員の一部が景況判断を引き下げた」と見る。一方、「大手では設備投資計画が変わる話は出ておらず、中堅はまだら模様だが進める企業が多い」とした上で「中小のユーザーは金利に敏感で今は少し落ち着いているが、金利次第で動きが変わってくる」と述べた。
中国の24年の見通しについて稲葉会長は「多分、今のボリュームが続く」との考えを示した。その中で「新エネルギー車は中国政府が推進に固い決意を持っていると見ており動く。半導体はロングレンジで必要との認識が業界で共有されており、いつ始まるかの問題だ」とした。
(2023/12/26 17:00)
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