(2024/1/17 12:00)
ミラプロ(山梨県北杜市、津金洋之社長)は、真空部品の国内トップ級メーカー。「真空」「ユニット」「医療」の3事業を柱に半導体や医療機器業界など向けに提供する。その中で四国工場(愛媛県伊予市)は真空配管やフレキシブルホースの主力工場で西日本地域における拠点。同工場の責任者である製造本部真空第二製造部の上岡秀徳部長に、工場の役割や生産性向上などについて聞いた。
―四国工場の役割は。
「本社、山梨県、岩手県を含む国内生産拠点の中で四国工場は2番目の2000年に稼働した。主力の真空配管は、規格品に加えて成形ベローズや溶接ベローズを使い製造する。大小口径の接合など各要望に応じる。フレキシブルホースの完成品も手がけている」
―生産性向上はどのように進めていますか。
「当工場に加えて山梨工場(山梨県北杜市)と東北工場(岩手県奥州市)を活用し、3拠点体制で真空配管とフレキシブルホースの製造を始めた。各工場の生産管理データを確認しながら3工場に分散し生産性を高めている。自動化には積極的に取り組んでいる。配管の継ぎ手加工など自動化が難しい工程はあるが、山梨工場で試行し、四国工場にも横展開したい。設備投資も進めており、このほど配管パイプ加工用に立型のマシニングセンターを増設した」
―人材育成は。
「当工場の従業員は約100人。平均年齢は?代後半。その中で特に加工と溶接の技能工育成が重要であり、品質や技量の均一化が喫緊の課題だ。ベテラン職人の技を習得してほしい。例えば溶接では、溶接サンプルを製作し溶接技量のスキルマップを作成、現場の上長が指導し技量向上を図っている。また溶接と洗浄、加工と生産管理ができるなど多能工化にも注力している。複数のスキルを習得すると本人の自信にもつながる」
―目指すところは。
「四国工場を真空配管の日本一の生産拠点にすること。それには営業部門と協力し西日本方面や韓国、台湾など海外の真空配管・フレキシブルホースの需要を掘り起こす必要がある。当面は1、2年後の半導体需要増に応じ安定供給体制を整える。将来を見据えて人材確保にも取り組みたい」
(2024/1/17 12:00)
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