(2024/1/23 17:00)
日銀は23日、金融政策決定会合で金融政策の維持を決めた。日銀は賃金の上昇を伴う形で2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現することを政策変更の条件とする。中小企業を中心に賃金・価格設定行動は依然として不確実性が高く、マイナス金利解除などの金融政策正常化の判断には、なお時間がかかる見通しだ。
会合後に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、2024年度のコア消費者物価指数(CPI)を23年10月時点の2・8%上昇から2・4%に下方修正した。今回はエネルギー価格下落の要因による修正であり、日銀が重視する基調的な物価動向の予想値は変更してない。「物価見通しの下方修正が、日銀の政策修正の可能性を低下させるものにはならない」(大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミスト)。
この他の変更点は、23年度の実質国内総生産(GDP)を23年10月時点比0・2ポイント減の1・8%上昇に下方修正、24年度実質GDPを同0・2ポイント増の1・2%上昇に上方修正。25年度のコアCPIは同0・1ポイント増の1・8%上昇に上方修正した。
市場はマイナス金利の解除時期を24年4月と予想する。3月中旬の春季労使交渉(春闘)の集中回答日の結果と、中小企業の賃上げ動向を確認。「物価安定の目標」の実現度が高まったと判断して、政策判断に至るシナリオだ。
日銀が重視するのは賃金からサービス価格への転嫁による持続的な2%の物価上昇だ。ただ23年12月のサービス価格は11月と横ばいの2・3%上昇と頭打ちの傾向がみられる。実質賃金は22年4月からマイナスが続く。持続的に実質賃金上昇率を上げるには日本経済の成長期待を高め、企業設備投資の活発化、労働生産性の上昇が必要だ。
(2024/1/23 17:00)
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