(2024/1/24 17:00)
【北京=鈴木岳志】日中経済協会など経済界による合同訪中代表団は24日、中国の国家発展改革委員会の劉蘇社副主任らと会談し、グリーン低炭素分野での連携強化を呼びかけた。中国は現在、世界最大の二酸化炭素排出国だが、2060年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現を目標に掲げている。経団連の十倉雅和会長は会議の冒頭で「両国の間には革新的技術の導入や脱炭素に資する製品・サービスの展開などにおいて大きな連携協力の余地がある」と語った。
劉副主任は「(中国委は)グリーン低炭素のトランスフォーメーションが進んで、23年末に再生可能エネルギーの発電ユニットの容量が初めて火力発電を超えた」と強調した。
訪中団の副団長を務める三菱UFJ銀行の平野信行特別顧問は「60年までのカーボンニュートラル達成には100兆元を優に上回る膨大な資金が必要と言われている。当然、金融機関の気候変動対応に対する現地当局の期待も高まっている」と説明した。会議では脱炭素以外に、両国の共通課題である少子高齢化・人口減少を踏まえ医療・ヘルスケア分野で意見を交わした。
一方、日本側から今後の中国経済を心配する声も上がった。日中経済協会の進藤孝生会長(日本製鉄会長)は「新たな能力増強がもたらす過剰生産問題は鉄鋼をはじめとした国際マーケットの混乱をもたらし、不良債権問題とともに懸念が生じる可能性がある」とさらなる構造改革を求めた。
(2024/1/24 17:00)
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