(2024/2/22 05:00)
2024年春季労使交渉(春闘)の焦点である中小企業の賃上げ。意欲的な賃上げ表明が相次ぐ大企業の流れが中小企業に波及し、実質賃金が早期に増加に転じることが期待される。だが収益力で大企業に劣る中小企業の対応は楽観できない状況にある。
東京商工リサーチによると、賃上げを予定している企業は全体で85・6%。企業の規模別では大企業が93・1%だったのに対し、中小企業は84・9%にとどまり、8・2ポイントの差があった。
賃上げを予定していない企業の53・8%(複数回答)が「十分に価格転嫁できていない」ことを理由に挙げた。公正取引委員会は労務費の増額分を円滑に価格転嫁するための指針を23年11月にまとめ、大企業に対応を促していたのだが。
賃上げを予定していない理由として「23年度の賃上げが負担となっている」(16・0%)との回答もあった。人材を確保するための「防衛的賃上げ」にも限界があり、2年連続の賃上げが厳しい状況が浮かび上がる。
賃上げ率で最も多いのが「3%以上4%未満」の32・7%で、23年春闘の実績を上回るかは微妙な状況だ。価格転嫁をいま一度促し、政府がデフレ脱却宣言を発出できる環境を急ぎ整えたい。
(2024/2/22 05:00)
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