(2024/2/22 17:00)
東京株式市場の日経平均株価は22日に反発し、バブル経済期の1989年12月29日の取引時間中につけた最高値の3万8957円44銭を超え、3万9000円台の大台を突破した。米エヌビディアの好決算が市場予測を大きく上回り、半導体関連株が上昇。国内外の投資家に自信が広がったことが急速な株高の要因といえそうだ。
最高値更新を受け、野村ホールディングスの奥田健太郎グループ最高経営責任者(CEO)は「かなり地に足のついたマーケットの動き」と分析。日本市場の成長力に注目する海外投資家の増加に触れ、「コーポレートガバナンス(企業統治)が非常に良くなり、評価されている」と指摘する。デフレ体質からの脱却を背景に、中長期の海外投資家が日本市場に入ってきていることも株価の押し上げ要因になった。
マクロ環境の堅調さと日本企業の好決算を受け、「高値は4万3000円、2024年末では4万円くらいがめどになる」(奥田CEO)と予想値は上昇傾向をたどる。日銀が大きな政策変更をせず、金融緩和が続く見通しへの安心感も、海外投資家の買い意欲につながっている。
大和証券グループ本社の中田誠司社長は「象徴的な数字を超えたことは日本が変わった証しだ」、SMBC日興証券の近藤雄一郎社長は「企業の一段の業績拡大が見込まれている」とそれぞれコメントした。
私はこう見る
4万円台弱での日柄調整必要
りそなアセットマネジメント運用戦略部・チーフ・ストラテジストの黒瀬浩一氏
日経平均株価が上昇している大きな理由は、日本経済の再生と日本企業の経営の革新だ。特に、台湾積体電路製造(TSMC)による熊本新工場への大型投資、日本政府による半導体などの戦略分野における税制優遇策の創設、金融庁による損害保険会社への政策保有株の売却要求などが影響している。
22日に日経平均株価が上昇したのは米エヌビディアが市場予想を上回る好決算だったことが要因だ。これによって、東京エレクトロンをはじめとする半導体関連株が伸びた。
今後は4万円台弱での日柄調整が必要だとみている。足元で、半導体・電子機器や金融、商社などの株が上昇しているが、循環物色は限定的だ。循環物色がどこまで広がっていくかが、株価上昇のカギとなりそうだ。(談)
(2024/2/22 17:00)
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