(2024/2/26 12:00)
京二(東京都千代田区、井口宗久社長)は、ロボットの教示が難しい研磨工程などの自動化を支援する新たなシステムを提案する。一方、食品産業など初めてロボットの導入を検討する顧客には、自ら出向いて基礎から説明する研修にも力を入れる。人手不足で自動化や省人化のニーズが多様化する中、深く広く要望に応えロボットの導入を後押しする。
「研磨作業の教示には時間がかかる」。システムインテグレーター(SIer)のアルマック(相模原市中央区)の担当者は、ロボットのアームを直接動かして教示するダイレクトティーチングでも、熟練が必要な作業の教示には数日かかることもあるという。
アルマックは不二越と共に、デンマークのノーボ・ロボティクスの無線遠隔操作キット「ミミック・キット」の提案を積極化する。ミミックは作業者が手にした専用のリモコン「バンドル」の動きを模写してロボットに再現させる仕組み。研磨の場合、作業者がバンドルを手に実際の加工対象物(ワーク)を研磨するだけで、数時間程度で精度の高い教示ができる。
京二はこのアルマックと連携し、不二越の協働ロボットとミミックを組み合わせた自動化システムの販売に力を入れる。同システムは塗装作業の教示の効率化などにも有効で、京二の井口社長は「ロボットの導入が難しい作業の自動化に貢献したい」と強調する。
一方、京二はロボットの導入を支援するスクールも開催。ロボットを一度も扱ったことがない顧客を含め現場ごとにカリキュラムを構築し、出張やオンラインでも対応する。
同社は商社としてロボットメーカー、SIer、周辺機器メーカーと連携。自動車産業向けに自らシステムを納めるなどSIerとしても豊富な実績を持つ。これまで部品加工メーカーとの取引が中心だったが「人手不足を背景に食品や医療品業界などからも自動化の引き合いが増えている」(井口社長)。スクールを通じて顧客の裾野を広げ、技術力に優れるSIerとのネットワークも活用し、顧客に最適な課題解決策を提案する。
(2024/2/26 12:00)
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