オージーケーカブト、万が一へ“安全”を追求 ヘルメット製造 基準以上へ

(2024/2/27 12:00)

日本を代表する“モノづくりのまち”大阪府東大阪市に本社・工場を構えるオージーケーカブトは、プロ仕様から幼児向けまで、各年齢層へ幅広い種類のヘルメットと関連商品を開発・製造・販売している。その製品が、利用者を万が一の事故から命を守る重要な役割を担う。人の命を守るというヘルメットとしての重要な役割、機能と、デザイン性など個性的なスタイルを融合させながら、あらゆる人に親しまれる独創的な商品開発に取り組む。

  • プロ仕様から幼児向けまで幅広い種類のヘルメットを手掛けるオージーケーカブトの本社

オージーケーカブトは、安全性確保の取り組みを開発・製造・販売前の各段階で実施している。開発時は業界で定めた各種規格よりも高い水準に設定した各種テストを行う。その後の量産化でも抜き取り検査を行い、安全性を担保している。「開発・生産から販売に至るまで、問題の大小にかかわらず不具合が見つかれば、その原因を徹底的に追求する体制が整っている」と経営企画室の趙南勛(ちょ・なむふん)室長は説明する。

そこには「常識を常識だと思わないことを常識にしていく」考え方があると趙室長は語る。安全追求は際限のない取り組みだと考え、安全基準を満たすことを常識としてしまえば、それ以上の進化がなくなるからだ。

社会責任を果たすため、特に小学生においては自転車乗車中より歩行中における交通事故での死傷者数が多いという事態を踏まえて、歩行者用ヘルメットなど新たな分野での製品開発にも積極的に挑む。新分野の製品だけに性能や安全の評価方法などは自社で取り組むしかない。将来見込まれる小型モビリティー対応製品などでも新たな安全規格が設けられる。その流れを想定し、早い段階から研究開発を進めているという。

  • 不具合が見つかれば徹底的に追求する…とオージーケーカブトの趙経営企画室長

2019年11月、製品の組み立て場所に係る記録が適切に記載されていなかったことを指摘され、その内容が重大であると認められたため、JISマーク認証の取消しがあった。中国工場で生産した製品を本社で完成させる製造過程での事務的な処理が不適切と指摘された。

製品安全に関わる不具合ではないが、事務処理を含めた製造から販売までの体制を再点検するためコンプライアンス室を設置し「コーポレートガバナンス教書」を整備し運用を始めた。過去の事例と教訓、再発防止の観点を盛り込み、不具合発生時に対応する各部署の役割分担を定めた。

全社で過去の教訓を理解し意識することが、安全でよりよい製品づくりに寄与することは間違いない。しかも「社員の声がしっかりと届く風通しの良さ、社員のやる気を引き出すことにもつながった」と趙室長は言う。

こうした取り組みが顧客からの評価として表れている。小学生から高齢者まで、感謝の手紙が届き、製品による不具合情報が減少する結果に表れている。

(2024/2/27 12:00)

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