ラピダス、カナダ新興と協業 エッジAIアクセラレーター開発へ

(2024/2/27 17:00)

最先端半導体の量産を目指すラピダス(東京都千代田区、小池淳義社長)は27日、人工知能(AI)向け半導体の設計を手がけるカナダ新興のテンストレントと、端末内で処理を完結するエッジAIのアクセラレーターを開発・製造すると発表した。2027年の量産開始を目指すラピダスの北海道千歳市の新工場での製造を想定する。エッジAI用のアクセラレーターの開発・製造により、生成AIの利用で増大する消費電力の削減などに貢献する。

  • ラピダスの小池社長(左)とテンストレントのケラーCEO

同日、都内で会見した小池社長は、「AIを使う上で、電力をいかに抑えるかが重要な課題になる」と、エッジAIの普及による消費電力低減の重要性を強調した。また、テンストレントのジム・ケラー最高経営責任者(CEO)は「ラピダスはスピードを重視している。協業により日本で優位なビジネスを構築する機会を得られる」と期待を述べ、「できるだけ迅速に(製造を)始めたい」とした。

ラピダスなどが参画する技術研究組合「最先端半導体技術センター(LSTC)」は9日、経済産業省から最大450億円の支援を得ることが決まっており、今回の協業はその枠組みの中で実施する。

ラピダスは回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)のロジック半導体の量産を目指している。テンストレントは16年設立。ケラーCEOはアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)やアップル、テスラなどを渡り歩き、最先端半導体の設計で業界をリードしてきた。

(2024/2/27 17:00)

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